取材協力
レイシに手間と愛情をかけています。レイシの匠 小原祐一さん
南高北低。今年の夏の気温予想。と言うことは、今年の九州の夏は昨年以上に暑くなりそう…。
しかも、節電の影響で冷房温度はやや高めに設定。
想像しただけでも「はぁ〜」とため息がでそうですよね。
そんな夏を元気に乗り切る食べ物が"レイシ=ゴーヤ"なのです。
【レイシ食べて夏バテしらず!】
レイシ=ゴーヤと聞けば「苦い!」というイメージがありますが、最近は品種改良が重ねられ栄養分はそのままで苦味を極力抑えた
レイシが作られています。小原祐一さん(熊本市海路口町)が作るレイシもその一つ。3,000㎡のハウスの中には、黄色い花の下に
プリンとしたレイシの実がぷらんとぶら下がっていました。あれ?レイシといえばスダレのようにして作るのでは?
「あの方法もありますが、ウチは、手で受粉をしていくのでドレープ形式に栽培しています」と小原祐一さん。蜂などに受粉させる
方法もありますが、それではうまく受粉できないからと、小原さんは手間がかかっても、一つ一つ雄花をちぎっては雌花へ受粉して
いきます。「そうすることで確実に受粉できるので、大きくて元気な実をつけてくれるんですよ」。そして、もう一つ気をつけているのが
湿度管理。「暑さが大好きなように思われていますが、暑さには強いけど好きじゃないんです。レイシは湿気が大好きなんですよ。」
と小原祐一さん。外気温と木や葉の色、実の付け具合などを毎日チェックしなら、微妙にハウス内の湿度を調整していきます。
「自宅で作る時も、ほどよい湿気を与えていると美味しいレイシができますよ。それに、虫がつきにくい野菜なので育てやすいです。
ウチでも農薬をほとんど使わず微生物を農薬代わりにしています」。
祐一さんで五代目の小原農家。レイシ作りは祐一さんが就農した11年前に始めたばかり。両親と祐一さんで現在約1,600株の
レイシを育てています。家庭菜園などでも見られるレイシですが、じつは細かいお世話が大事な野菜。小原さんは、成長管理や
交配・収穫まですべて手作業で世話をします。 ※ドレープ形式:実が常に、日光にあたるようにツルをまとめること。
◆◆レイシとゴーヤとニガウリの違いは?◆◆
正式和名は「つるれいし」といい、通称ニガウリ(苦瓜)と呼ばれています。
沖縄ではゴーヤー、ゴーラー、ゴーヤ、九州ではレイシ、ニガゴリ、ニガゴイと呼ばれているようです、ちなみに、
小原さん達はレイシ。「だってニガウリだと苦いイメージがあるでしょ」。
◆◆栄養はあるの?◆◆
独特の苦味成分がポイント!発ガン物質の活性化を抑え、動脈硬化の予防、血糖値やコレステロールを下げる働きがあり、
成人病に悩む現代人にはマストフードなのです。ビタミンCの量も半端じゃなく、約1/2本で日で摂取したビタミンCは
補給できるとか。さらに、レイシのビタミンCは加熱してもOK。日焼けが気になる季節には毎日でも食べたい一品ですね。
レイシの種には脂肪を燃焼させる効果もあるそうですよ。
◆◆保存方法は?◆◆
・薄くスライスして乾燥 ・薄くスライスして冷凍
※この時に種も乾燥させているとお茶に使えます。
◆◆料理以外の使い方は?◆◆
*オレンジゴーヤジュース
市販のオレンジジュースにスライスしたレイシをお好みで入れジューサー にかけます。夏バテで食欲がない時にオススメですよ。
*ゴーヤ茶
乾燥させたレイシと種をお湯に入れてグツグツ煮出します。独特の苦みは なく熱々でも冷やしてもOK.成人病予防に効果ありです。
【選び方のポイントは?】
○ポツポツにハリと艶があり密集しているもの。 ○全体のグリーンが鮮やかで色が濃いもの。
○持った時に重くてズッシリ感があるもの。 ○太さが均一でずんどう型のもの。 ○切り口が新鮮なもの。
CHECK!※イボイボがしなびたり、黒い斑点があるものは避けましょう!
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