ピカピカのコップに真っ白なミルク。
朝のシーンに欠かせない牛乳ですが、その一杯には、酪農家の人たちの牛に対する細やかな配慮と愛情が詰まっていました。
1日のほとんどを牛舎で過ごす米野浩二さん(31歳)。東区戸島町で酪農を営み、酪農一筋11年です。両親と兄の4人で、
母牛85頭、子牛25頭、計110頭の乳牛を育てています。朝夕2回の乳搾りの他に、牛舎の掃除、飼料の準備、飼料となる
トウモロコシや牧草の管理、堆肥作り…など、じっとしている暇はありません。その合間にも、牛の表情や、食欲などをチェック。
「牛は体調管理が大事ですからね」。
<体調管理>
「大きな体をしているけど牛はデリケート。ちょっとした病気が命に関わるんです」と米野さん。子牛、成長期の牛、親牛と、
成長段階にあわせてきめ細やかな気配りをしています。
特に、梅雨から夏にかけては、暑さ対策が必須。牛は暑いのが苦手なので、蒸すような暑さの熊本の夏は要注意なのだそうです。
「夏バテや熱中症にかかりやすいので、いつも以上に注意をしています。ちょっとでも様子が変だなと思ったら、
すぐに処置をしてあげないあとね」。
また、寝床には牛へのストレス対策が考慮されています。米野さんの牛舎は、フリーバーンという放し飼い方式で飼育しています。
自由に牛が動け、自分達が好きな場所で食事をしたり寝たりできるので、牛へのストレスが軽減され、
美味しい牛乳を作り出してくれるのだとか。
<2Kの排除>
牛舎と言えば、臭い・汚いのイメージがありますが、米野さんの牛舎は臭いも少なく、牛たちもとってもきれいにしています。
「悪臭の原因は、牛の排泄物なんです。放置していると細菌が増えて悪臭が漂うんです」。さらに、細菌は悪臭を放つだけでなく、
牛たちに病気を及ぼす原因にも。そこで米野さんの牛舎では、こまめに排泄物を取り除くだけでなく、牛舎の下に敷いている
おがくずに消石灰を混ぜて細菌を減少させたり、悪臭を押さえるためにEM菌(有用な微生物【善玉菌】で、発酵・分解を促進する)
を混ぜたり、色々な工夫がなされています。さらには、排泄物はおがくずと一緒に発酵させ、農家の方へ堆肥として渡しています。
◇◇◇豆知識 知ってました?◇◇◇
らくのうマザーズ熊本工場での受乳量は1日平均245トン。熊本県の生乳生産量は、西日本では1位、全国では4位なんですって。
実は、熊本県は北海道と同じ酪農県だったんですね。
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