今年3月11日に発生した未曾有の東日本大震災を受け、JAグループ熊本・東北地方太平洋沖地震災害支援対策本部は5月16日からJA県連合会とJA職員らで編成する支援隊を被災地に派遣し、復旧・復興活動に取り組んでいます。
復興支援隊は第5陣からJA職員を新たに加えて編成。7月11日の熊本空港での出発式では、JA中央会の高木誠一さんが「JAグループ熊本としての自覚を持って、協同の精神を忘れず復興支援を行いたい」と決意表明。JA熊本市の豊住洋介さん(本店営農部)と喰田丈博さん(本店購買部)ら計11人(熊本市・たまな・鹿本・菊池が各2名、中央会・経済連・農林中金が各1名)は7月11日から15日までの5日間、岩手県のJAおおふなと管内でがれきの撤去作業などを精力的に行いました。
【支援隊第5陣活動報告】
JA熊本市営農部 豊住洋介さん
7月11日から5日間、岩手県陸前高田市でJAグループ熊本支援隊の一員として支援活動に取り組みました。支援活動には7都道府県から100人が参加。11日夕方からミーティングが開かれ、岩手県の震災に伴う地震の概要・被害状況が報告されました。岩手県内3JAでは11支店が全壊、半壊浸水が4支店、カントリー等が被災。JA職員は11人死亡・行方不明2人、組合員に至っては調査中で、被害を受けた農地は725㌶。そのうち陸前高田市は383㌶が被災し県内で最も被害の大きい地区でした。12日から支援活動のため現場に出向くと、震災後報道等で見ていた場所を目の当たりにして想像を絶するものがありました。戦争を知らない私ですが、まさにそのような光景でぞっとしました。
支援活動は各県分かれての作業で、農地に入っているがれきや用水路の土砂を取り除く作業などに取り組みました。津波により、U字溝の用水路はふさがり、水はけも悪く水分を含んでいたため作業は難航。スコップを使って汚泥を掘りあげ、溝をふさいでいた土砂をすべて取り除いた時は、大きな歓声が上がりました。今回の経験は大変でしたが、とても貴重な経験であり、今後にとって意味ある活動となりました。
JA熊本市購買部 喰田丈博さん
JAグループ熊本と全国のJAグループの総勢100人が7月11日から15日まで、岩手県陸前高田市で水路掃除やがれきの撤去作業を行いました。砂浜には高田松原と呼ばれる松原が広がる観光地ですが、今回の地震が引き起こした大津波によって市中心部は建物もろとも壊滅し、市の全世帯中7割以上が被害を受けました。映像でしか見ていなかった被災地は震災から4カ月経っており、大津波の被害のあった場所はほとんどが撤去され、がれきの山となっていました。
支援隊の作業現場は大津波の影響を受けた水田で、がれきの撤去や海砂・土砂の除去作業を行いました。水田のほか用水路内も、海砂や土砂が1㍍以上溜まり水も流れない状態で、農作物の作付けは厳しい状況でした。作業は炎天下での過酷な状況でしたが、各県が一致団結し復旧に励みました。今後の復旧・復興、事業再開にはまだまだ時間と労力が必要な悲惨な状況だと感じました。一方、岩手県でも被災していない地域ではしっかり農業を頑張っています。今回、支援隊に参加し色々と経験させていただきました。今後は自分もいろんな形で助け合いの気持ちを持ち、業務にも生かし励んでいきたいと思います。
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