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■「水前寺せり」知って食べて

 熊本市画図町で3月8日、伝統野菜「ひご野菜」の一つ「水前寺せり」の収穫が進んでいます。
 障害を持つ人たちに住み慣れた地域で安心して暮らしてもらおうと、農業を営む北岡司さん(42)は平成15年2月にNPO法人こころみ会「トライハウス」を設立。職員9人が主となり、利用者25人とともに約7アールの水田で「水前寺せり」の栽培に取り組んでいます。
 鮮やかな緑色が映える一帯の水田では、JA熊本市セリ生産部会の農家12戸が約1.2ヘクタールで栽培。関西や中部地方を中心に高級食材として出荷されます。2年前に部会員となった北岡さんは「全員農業の経験が無かったため、野田幸二部会長ら部会やJAの人たちに土作りから圃場の管理、出荷まですべてを指導してもらった」と振り返ります。利用者には個々の適正や能力に応じ出荷調整作業などを担ってもらい、自立支援を促します。
 「皆が安心して生産に取り組めるよう、『水前寺せり』を1人でも多くの人に知ってもらい食べてほしい」と北岡さん。「障害を持つ人たちがもっと関われるよう、セリを使った加工品の開発なども考えていきたい」と展望します。収穫作業は4月下旬まで続きます。

茎や葉の生長具合を見ながら選別する北岡さん(右端)と利用者ら